Sunday 22 May 2011

1930年代のファブリックデザイナーに敬服致しました。

秋冬の商品に使用する為、30年代のチェック柄プリントネルの再現を取引先に依頼しましたが、、、。

出来上がった版下は、ぱっと見はそれ風に見えるのですがちゃんと分析もせずにMacのイラストレーターでなんとなく構成した物で正確にはまったく違う物でした。

無駄な版下作製費は払いたくないので、持ち帰ってもらいました。
と言う事で、私が作製します。

チェック織りの生地の組織を正確に版にしている為に縦糸と横糸の本数に構成のルールがあります。
これは黒部分の版下です。
これはオレンジ部分の版下です。
チェック柄1ブロックで1リピートと思いきや、4ブロック1リピートです!
なんと横糸188本と縦糸100本で糸の目数としては18800目です。

版下しては斜めに流れる楕円の目と交差する黒部分の表現となりますので、
黒糸部分の目を表現する楕円の数は4700個です。
オレンジの目を表現する楕円は808個でした。

勿論パソコンやコピー機の無い時代に、当時のファブリックデザイナは約2mmx1.2mmの楕円をなんと5508個も手書きで正確に書いていたのです!!!色は違いますが私の作製した版下でシュミレーションしてみました。

チェックの柄に温かみのある独特な雰囲気を持っております。
ゆがんで見えるのも目の錯覚でこれも計算なのでしょう。
再現にはかなり時間は掛かりましたが、ほぼ完璧に当時と同じ版下を作製できました。

本当に当時の物作りの姿勢や真剣さに敬服いたします。
これからも見習っていきたいと努力しております。

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